今回は、私がTOEIC900点を取得できたときの学習法として、問題集を活用した弱点分析についてご紹介したいと思います。
特に、以下のような方の役に立つ記事になっています。
・TOEICの点数がなかなか上がらない方
・具体的なTOEICの学習法を知りたい方
・試験結果や実施した問題集からの弱点抽出を学習にフィードバックしたい方
それでは、具体的に、弱点分析、そして、フィードバックの方法についてご紹介します。
学習にフィードバックが重要な理由
学習には、フィードバックがとても重要です。これは、「学習を習慣化する」ことの次ぐらいに重要なことだと私は認識しています。
TOEICを受験したり、問題集を解いたりすることも、実は、「学習へのフィードバックをかけるため」にしていることなのではないかと考えています。
現在のTOEICの点数は、今後の学習法に凄く影響を与えます。なぜなら、点数によって、今後の学習方法が全く異なるからです。
例えば、600点を取得できたとします。そうしますと、「まだ、文法力を伸ばす必要がある。」「リスニング力も足りない。」「文章をしっかり読む力も足りない。」ということがわかるわけです。
そうすると、「もう少し、英文法も学習する必要がある。」とか、「音声を聞きながら、リスニングパートの音読を続けてみよう。」とか、「リーディングパートも音読してみて、英文を左から右へ読むトレーニングをしよう。」など、今後の学習法も明確に指標を立てることができるわけです。
また、900点を取得できたとします。そうすると、「おおよそ、文法力はOKだ。」「リスニングも、ほとんど聞き取れるようになった。」「ただ、リーディングパートが解ききれない。」ということが、受験しただけでもわかります。
そうすると、「もう、文法の学習はこのぐらいにして、リスニングは現状維持できる程度にして、速読をもっと頑張ろう。」という診断ができ、「よし、速く英文を読めるように、リーディングセクションの音読と、英語の小説の多読を行おう!」という今後の学習の指針が導きだされるのです。
このようなフィードバックをかけないと、「そもそも、英文法が全くできていないのに、リーディングの多読を実施してしまった」り、「リスニングパートの点数が低いのに、リーディングのほうを頑張って学習してしまった」りと、ものすごい非効率な学習法になってしまい、その結果、「点数がなかなか上がらない」ということになってしまいます。
このように、「学習にフィードバックをかける」ということは、「英語学習を習慣化」することの次ぐらいに重要なことだと私は考えています。
実際には、上記のTOEICの点数の例よりも詳細に分析・フィードバックをかける必要がありますので、詳細に解説していきます。
弱点分析法
私が、実際にTOEICの文法問題で満点を取得したときの方法についてご紹介していきます。
弱点分析に使用した参考書(TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問)
使用した書籍は、以下の参考書です。
この本は、私がTOEIC900点を取得するまでに使った参考書で、TOEIC公式問題集や、その他いろいろな問題集の中で一番良かったと思っている本です。具体的には以下のようなところが良いと思います。
- 一冊でTOEICの文法問題がすべて網羅されている
- 解説がわかりやすい
- 項目別に(例えば、「動詞問題」「品詞問題」のように)わかれている
- 問題の量が多い
- 音声がついている
あとは、これは好き好きだと思うのですが、ユーモアも面白く、学習が楽しくなるという点も良いと思います。
注意すべき点としては、この問題集は初学者には少し難しいと思いますので、TOEIC500~600点を取得できていない方は、もう少し簡単な問題集を使って学習された方が良いと思います。
また、分量もかなり多いので、全部やりきる自信がない方は、もう少し薄い本を使って、完璧にやり切ったほうが良いと私は考えます。
私は、「項目別」になっているという利点を生かして、「では、私は英文法の中でどこが弱いのか」を分析しました。そして、弱いところを集中的に学習することにより、TOEIC英文法は満点を取得できました。
それでは、次に、実際にどのように弱点分析をしたかをご紹介します。
分析法
先ほどご紹介した参考書の目次を見ると、以下のようになっています。
- 品詞問題
- 動詞問題
- 前置詞or接続詞問題
- 代名詞問題
- 前置詞問題
- 関係詞問題
- ペア表現・語法・数・比較問題
そこで、これらの問題のどこが解けないのかを、実際に以下のように分析しました。
まず、問題集を全部解きます。私の場合は、問題を全部2回ずつ解いて、1回でも間違えた問題を「できなかった問題」としてカウントし、各項目の正解率を測定しました。
実際に、表にまとめたものを以下にしまします。これは、TOEIC850点が取得できて、900点を目指していた時の正解率を示したものです。
問題数 | 誤答数 | 正解率 | |
品詞問題 | 332 | 24 | 93% |
動詞問題 | 98 | 16 | 84% |
前置詞or接続詞問題 | 65 | 11 | 83% |
代名詞問題 | 34 | 1 | 97% |
前置詞問題 | 54 | 9 | 83% |
関係代名詞 | 14 | 1 | 92% |
ペア表現・語法 | 47 | 7 | 85% |
上記の表を見ると、赤文字のところの正解率が低いことがわかります。ここが私の弱点であり、克服すべきジャンルです。
「分析法」といっても、上記のように実施することは非常に簡単です。
しかし、これをやる人はかなり少ないと思います。このような簡単なことを実施するか、実施しないかで、その後の英語力の伸びが全く異なりますので、実施していないみなさんはぜひ、やってみてください。
それでは、分析ができたので、次は、弱点分野の克服法をご紹介します。
弱点克服法(フィードバックの仕方)
分析までできたら、私は、その弱点の分野について、別の参考書を使って「理解」しました。
例えば、以下のような参考書を使って、その分野の解説を読み込みます。
そうして、理解ができたら、間違えた問題をもう一度解きなおします。
それでも、解けなかったら、「なぜ間違えたか」をよく考えて、解説と上記のような英文法書をもう一度よく読んで、理解できたらもう一度解きなおします。
それでも、間違えたら、例えば、以下に紹介するようなもう少し詳しく書かれた参考書などをよく読み込みます。
そして、また、問題を解きなおします。
これを繰り返せば、必ず解けるようになります。
また、この問題集には音声も付いていますので、特に間違えた問題は何度も音声を聞きながら音読して、すらすら言えるようにしてしまってください。
そこまでやると、語感のようなものも身について、間違えた選択肢が「なんか変だ」と思えるようになってきます。
このような正直「しつこい」ぐらいの学習を行って、私は文法問題で満点を取得できるようになりました。
まとめ
今回ご紹介した内容をまとめます。
- 英語学習において、フィードバックは「継続・習慣化」の次ぐらいに重要である
- TOEIC受験でもフィードバックできるが、より詳細な分析からフィードバックするのが望ましい
- 「TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問」は分析しやすい参考書である
- この本を使って実際の弱点分析法について紹介した
- 弱点克服法・フィードバック方法について紹介した
このように、学習にフィードバックをかけることによって、学習効率がだいぶ改善されると思います。
私の場合は、TOEIC560点から900点を超えるまで、一度も点数が下がらずに、○○点の壁というのも全く経験せずに済みました。
おそらく、「○○点の壁」というような壁ができてしまうのは、点数があがってきているにも関わらず、その点数にふさわしい学習法に変更せずに、点数が低かった時の学習法をずっと続けてしまうからだと思います。
TOEIC学習は、点数によって学習法が変わりますし、自分の弱点がどこにあるかによっても、学習法が変わります。
柔軟に学習法を変更していくためには、今回ご紹介したような「弱点分析法」がとても有効だと思いますし、TOEIC受験をして一喜一憂しているだけではだめで、「Abilities measured」などを読み込んで、「次はどのように学習すればよいか?」についてよく考えることが重要です。
よくよく考えてみると、これは会社の業務とも通じるものがあります。「仮説・検証」というのを、業務のレベルに応じて方法を替えつつ、実績を出せるように柔軟に進め方なども変更し、そして実績を出す。業務でもTOEICでも、突き詰めるとやっていることは一緒です。
これができている方は、英語学習を継続さえできれば、TOEIC試験を受験しても、比較的簡単に点数を上げることができると思います。
英語学習を始めようと考えている方や、行っている方の参考になればうれしいです。
以上、最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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